意味がわかる人にだけわかってくれたらいい話

タイトル通りです。

今日の内容は面白さが伝わる人にだけ伝われば幸いです。

 

小学校の時の作文の話

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Image from : http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im4266458

 

小学校5年生の時の話です。忘れもしなかった出来事がありました。

当時の5年生といえばやんちゃもやんちゃ。遊びたいざかりの、わんぱくなクソガキでございました。

 

で、ある時に、学校で作文の宿題が出たんですよ。

テーマは「将来なりたいもの」。

まあ作文のテーマといえばありがちっちゃありがちですよねw

しかもそれを、今度の授業参観の時に発表することになったんです。

当然緊張が高まりますよね。

 

そして迎えた授業参観日の当日。

その日は朝から皆ドキドキとワクワクで盛り上がってました。

小学5年とはいえ、親たちが見てる前で作文を読むってのはそりゃ緊張します。

そんな時、事件は起こりました。

 

「うわっ、どないしよーー!」

 

同じクラスの山下君が大きな声をあげました。

 

山下君はクラスの中でも体が大きく、あごもしゃくれていました。

まるでシャベルみたいな顔の形をしていたので、みんなから「シャベ」というあだ名で呼ばれてました。結構子供は残酷なものです。

 

「シャベ、どないしたん?」

「まじヤバい、俺作文書くの忘れてきた!」

 

どうやら、彼は宿題だった作文を書くのを忘れてきてしまったようです。

彼の手には何も書かれていない空白の原稿用紙。

さあ、困った。どうするどうする。

 

そして始まりました。運命の授業参観。

続々と集まる保護者達。次々に1人ずつ作文を読んでいく生徒たち。

そしてついに、彼の出番が来ました。

 

「よし、じゃあ次は山下君、読んでください」

 

名前を呼ばれ、震えながら立ち上がる山下君。手には原稿用紙を持っています。当然そこには何も書かれていません。

完全に真っ白でした。

 

彼は何て言うんだろう。正直に「書いてませんでした」と打ち明けて謝るのだろうか。

と、思った次の瞬間。

 

「僕の将来の夢は、警察官になることです──」

 

 

なんと!!

 

彼は、何も書かれていない原稿用紙を持ちながら、まるで作文を書いてきたかのように、アドリブで自分の将来の夢を発表しはじめたのです。

この度胸には、クラスメイト達もびっくりしました。

 

そして無事に読み終え、保護者達から拍手をもらい、山下君は無事に難を逃れたのです。

その後の休み時間で、山下君をたたえるクラスメイト。

 

「シャベすごいなー!」

「やるやん!」

「俺ぜったい先生に怒られるかと思った!www」

「ほんまほんまww」

 

彼はまるで当然のことのように、

「まあ任務完了やなー。でも、書く仕事はコリゴリやわーww」

とさらっと言ってのけました。

 

めでたしめでたし。

 

 

 

ここからが本番です。

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

ここからが今日の記事の本番です。

 

今から、先ほどの話をもう1回します。

 

ただし、内容を3ヶ所だけ残して、残りを全て変えます。

 

それでは、どうぞ。

 

 

 

高校生の時のラーメン屋の話

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高校2年生の時の話です。

学校が終わって、いつもつるむ友人たちと、どこか遊びに行こうかという話になりました。

 

正直、自分の通っている高校は割りと山のほうにあったので、近所にはゲーセンもカラオケもありません。

遊ぶとなったら近くの公園か、誰かの家です。もっぱらそんな感じです。

あるいは夜まで学校に残ってくっちゃべったりしてる、なんてこともよくありました。

 

いつもはそんな感じなんですが、その日は違いました。

自分を入れて6人の集団ですが、そのうちの1人が「ラーメン食べたい」と言い出したのです。

そいつとは高校に入ってから知り合ったのですが、

とにかくいつもよく喋るので、みんなから「シャベ」と言われてるヤツでした。

 

そういえば、チャリでちょっと行ったところに、あの「天下一品」というラーメン屋がオープンしたばかりでした。

「おお、行こう行こう!」となり、皆はさっそくチャリで天下一品に向かいました。

 

実は何を隠そう、この時まで自分は天下一品のラーメンを食べたことがありませんでした。

ようやく天下一品童貞を捨てることができる。そう思うと期待で胸がドキドキしました。

 

 

チャリを走らせること5、6分。我々は天下一品に到着しました。

オープンしたてということで、平日ですがけっこうな盛況ぶり。自分たちも少し順番待ちしました。

 

そしてようやく自分たちの席があき、みんな思い思いにラーメンを注文しました。

自分も、とりあえず初めてなので一番普通のラーメンにしました。

 

dai「俺実は天下一品初めてやねんw」

「そうなん?めっちゃ天一は上手いでwwハマるからw」

そんな会話をしている中、シャベが「ちょっとトイレ行ってくるわ」と席を立ちました。

 

そして、そうこうしてる間に、自分たちのラーメンが運ばれてきました。

しかし、シャベはトイレに行ったまま戻ってきません。

「どうする?先食べとこっか」と言いながら先にラーメンを食べ始める5人。

 

 

その時です。

我々のいたずら心に火がついてしまいました。

なんと、我々のうちの1人が、シャベのラーメンの上にコショウをドバドバとふりかけ始めたのです。

 

いけないと思いながらも、笑いをこらえきれない我々。

気づけば彼のラーメンの上には大量のコショウがかかっていました。

完全に真っ白でした。

 

そしてトイレから戻ってくるシャベ。

自分のラーメンを見て、その異様さに気づくのに時間はかかりませんでした。

 

「ん!???」

 

みんなは素知らぬ顔をして「どしたん?」とか言いながらラーメンを食べています。

 

「え、天下一品のラーメンってこんな白いん?」

 

どうやら、シャベも天下一品が初めてのようです。

「せやで、ちゃんとよくかき混ぜて食べなあかんでww」と悪乗りするヤツも。

 

おそるおそるラーメンを食べるシャベ。 当然、

 

「からっ!!しょっぱ!!!!これなんか入れたやろ!!!」

 

ゴホゴホとむせだすシャベ。

自分たちは「なんでやねんww何も入れてないわww」とあくまでシラを切ります。

 

が、涙目になりながら食べようとするシャベを見て我々も申し訳なくなり、

「ごめんごめんwwコショウ入れすぎたなwwwごめんシャベ!w」と白状。

コショウだらけのラーメンは、我々の普通のラーメンと少しずつ交換し、なんとか中和してみんな無事に食べ終わりました。

 

「嘘ついてごめんなーシャベー」

「ほんまやでーーwwまあ美味かったからええけどwwでも、隠し事はコリゴリやわーーww」

 

 

僕たちは、その翌日も天下一品に行きました。

 

 

【おしまい】