褒めて伸びる子だからさ。

おかげさまでありがたいことに俺の書くブログは
「面白い」だとか「好き」だとか「楽しみ」だとか言ってもらえることが多い。

それは素直に嬉しいし、正直、そんな暖かい言葉を投げかけてくれたことを後悔させるぐらい気持ち悪い喜び方をしている。
本当にありがとうございます。
今度、びっくりドンキーでもおごりますね。

 

ところで、私生活はどうか。

うん。

ふと思ったのだが、最近まったく褒められていない。

えぇぇぇ。

いやいや、確かに人様に褒められるような生活こそ送ってるつもりはないのだが、
それでも「まったく」って。
それでも「まったく」って。ええぇぇぇぇ。

俺はまあ、褒められたらすごく伸びます。自分で言うのもアレだけど。
褒められるのが大好き、もうSサイズの服がXLになるぐらいまで伸びる。
そのくせ、怒られるとしっかり縮むから救えないのだが。

そう、そんな俺が、だ。
小さい頃に、ただ褒められたいがために一人でお使いに行き、
本来なら「にんじん」を買うべきところを無残にも聞き間違え、「イソジン」を買ってきた俺が、だ。

思えば俺に、取り柄という取り柄はない。
勉強もそこそこだったし、運動もそこそこだった。顔面偏差値も中の中(自称)、
まさに中流層のカリスマ。
褒められるとしても「え?dai君てスイカそんなところまで食べるの?すごくない?」といったレベルのものばかりだ。

そんな俺だけれど。それでも、最近の生活は目に余る。
褒められることがない。ああ、褒められたいよう褒められたいよう。
褒められてすごい勢いで伸びたいよう。

 

先日、こんなことがあった。

kodomonansai

 

大人が、小さい子供に聞くのだ、「○○ちゃんはいくつなのー?」って。

それに子供が答える。「みっちゅー!」

大人は拍手をしながら「わー。ちゃんと答えられてえらいねー」なんて言うわけだ。
そんなどこにでもありそうな光景。まあ俺も実際目の当たりにしてね、ああいいなあ、なんて思いました。

ただそれは、その光景がではなく、褒められた子供がね。いいなあと。
ああ褒められてるよ、あの子。羨ましい。

え?え?それなら俺だって答えられるけど。

「はい、私、今年で20と6つになります。好きなご飯はお米です」

ぐらい言えるけど。

そんなことしたって当然ながら誰も褒めてくれやしないのだ。
わかってる、そんなことしたって、洗濯したらポケットにティッシュ入れっぱなしでなんかグッシャグッシャになってたときのような顔をされるのは、わかってる。どうせオイラは、そうなんだ。

 

先日、こんなことがあった。

hatosingo

 

とある街角でハトが信号待ちしていたのだ。

いや、それは確かに偶然だろう。
たまたま信号が赤のときに、横断歩道の端にハトが静止していただけのこと。
でも確かに『信号待ちをするハト』とタイトルをつけられる画ではあった。

それを見て、お孫さんらしき女の子をつれたおばあちゃんが言うわけだ。
「ほら見てごらん、ハトポッポが信号待ってるよー。賢いねー」

それを見て、いいなあ、と。

うん、そう、例のごとくハトがね。ああ褒められてるよ。
え、俺生まれてから一回も賢いなんて言われたことないかも・・・。
信号待って褒められるなら俺だって待つよ。いくらでも待つよ。いつまでも待つよ。俺はあみんか!

いや、でもちょっと待てと。本当にそのハトが賢いのなら、そこは飛ぶだろう。
そうすれば信号なんか待たなくてもいいし、車に引かれる心配もない。
いや、まあこの場合ハトに非はないのはわかっているのだけれど。

ああそうです、単なる嫉妬です。

で、話はそこで終わらない。その女の子が手を上げて横断歩道を渡ったのだ。
そうなれば当然のごとくおばあちゃんは褒める、「エラいねー」と。

確かにこの女の子のとった行動は尊い。それは褒められて然るべき行為だ。

でもね、でも1つだけ聞いてほしい。

俺にだって、そんな時期があったのだ。手を上げて横断歩道を渡っていた可愛らしい時期が。素直で、微笑ましく、真っ白だった頃が。
でも俺は、手を上げて横断歩道を渡ったことで褒められたことがない。いや、褒められないだけならまだマシだったかも知れない。

 

昔、こんなことがあった。

その日も俺はいつも通り、横断歩道を渡ろうと手を上げた。

するとなんと一台のタクシーが止まったのである。

え?なんで?しかもよりによって運転手の顔がめちゃくちゃに恐い。
小学校の頃の同級生で、まったく面白くなかったけど声だけは誰よりも大きかった中村くんなら、間違いなく「ゴリラ」と安直なあだ名をつけたであろう運転手だ。

やばい。捕まったら殺される。俺は全速力でその場から逃げ出した。
悪いことなんてしていない。むしろいいことをしたはずなのに。

それからしばらくは、もしあのときの運転手だったらどうしようと、近くにタクシーが来る度にドキドキしていたものだ。

あの運転手の顔は今でも覚えている。
なんというか、小学生の頃の同級生でまったく面白くなかったけど声だけは誰よりも大きかった中村くんが「ゴリラ」とあだ名をつけそうな顔だった。
そんな経験があっても歪まずにいられるだろうか?いや、無理無理ごめん無理。俺はそれ以来、ただの一度だって手を上げて横断歩道を渡ったことはない。・・・いや、数回はあったかな。

 

 

 

 

 

そ こ で!

 

唐突だがここで新しい商売を考えた。その名も「褒め喫茶」

いや、喫茶じゃなくてもいい。店の形態なんて何でもいい。とにかくお客さんを褒めてくれるのだ。

男性客には女性がついて、女性客には男性がつこうか?うん、そうしよう。
お客さんが寡黙ならば容姿や服装を褒め、何か自慢話でもすれば一々それを褒める。

客層はもちろん、俺のような「褒められ」が足りない人。

え?これよくない?うまく行く気しかしないんだけど。
っていうか誰か作ってくれませんか?あったら行く気しかしないんだけど。

このアイデアどうですか?褒めてくれますか?

・・・そうですか。やっぱりダメですか。

やっぱりダメでした。 (-ω-)

 

【おしまい】

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