皆さま、あけましておめでとうございます。
年末年始はけっこうおでんを食べてしまったdaiです。
どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。
「本当は俺はこの家の子じゃない」
関西の人間なら、幼いころに親にこう言われたことがあるはずだ。
「アンタはほんまは橋の下で拾ってきたんやで」
もちろんこれはただの冗談なんだが、子供がやんちゃだったり親の言うことを聞かなかったりすると、こういうセリフはよく出てくる。
関西出身の子供なら必ず聞くであろう、もう親界隈の中では鉄板のネタである。本当に橋の下にそれだけ子供が大量投棄されてたらもうどえらいことだ。
で、こういうことを思ったりするのは実は大人だけではない。
俺たちは子供のころ、親にこっぴどく怒られたり、欲しかったものを買ってもらえなかったりした時に、いつも自分にこう言い聞かせていた。
俺は、本当はこの家の子供じゃない。
俺は本当は大金持ちの家の子なんだ。
俺が今ここにいるのはなんらかの手違いだ。
しかし誰がどう見ても親子。見た目も、性格も、まさに親子。血筋とはよく言ったもんだ。
まったく、どんな手違いだというんだ。もう頭悪すぎの現実逃避。あの頃の俺は本当にアホなこと考えていたんだなぁ。
でもおそらくこれも俺だけじゃないだろう。
ああ、これを読んでいるあなたもですか。ハハハ。
お互い、アホな子供だったんですなぁ。ハハハ。
ストレスを避けるための合理的システム
この「本当はよその子症候群」、大人から考えればあまりにもアホな発想ではあるのだけど、実は、悩みごと・トラブルを抱えている時のストレス回避の方法としては、実に健全で合理的なものだとも考えられる。
問題を抱えている時に陥りやすいのが、「この状況が未来までずっと続くのではないか」という不安だ。二度とこの状況から抜け出せないのではないかという恐怖だ。こういった不安や恐怖によって、俺たちのストレスはより一層ひどいものになってしまう。
だいたいのトラブルとか悩みというのは、時間の経過や状況・環境の変化、
あるいはその人自身の成長によって解決したり自然となくなっていくものだ。
だから、こういう先の未来への展望を見出すことさえできれば、トラブルの中にあっても気が楽になるし、ストレスも回避しやすいんじゃないだろうか。
この「本当はよその子症候群」は、まさに未来に展望を見出す考え方だったように思う。
本当に大金持ちの”実の親”が迎えに来るかどうかは別にして、ストレス回避のための思考としては理想的だっただろう。
ストレス大国と言われる現代社会。
メンタルヘルスの意識が高まる今の日本。
確かにあの頃の俺たちはアホだったけど、そこから学べるものもあるだろう。
ああいうストレス回避の思考を、我々大人も積極的に取り入れてみてはどうだろうか。
「俺、明日、ものすごい大発明を思いつくよきっと。それが何なのかはわからないけどきっとすごい大発明だよ。特許取って権利所得で一生ウハウハだよ。参っちゃうな」
「私、言ってなかったけど実は来月から乃木坂46のセンターとして活躍することになってるんだよね。これは極秘なんだけどさ」
「どうせ来週の今頃は仮装通貨が爆上がりして、資産が10億は超えてるだろうなぁ~税金が心配だわぁ~~」
「きっと近い将来、AIが今よりももっと進歩して、国家の政策とか公的事業とか、人が判断しにくいようなことも全部AIが判断しちゃうんですよ。で、総理大臣も、最もふさわしい人を国民の中から選ぶんですよ。で、選ばれるの、たぶん俺なんですよ。わーいっ。」
・・・うん、アホっぽい。
アホっぽいけど、きっと人生は楽しくなる。アホな現実逃避もいいものです。
年は新しくなりました。2018年になっても悩みはまだまだ尽きません。
悩める現代人の皆さん、よかったらそんな風に考えてみてください。
ちょっとは気分が楽になるはずですよ。きっと。
今年も楽しくいきましょうね。
【おしまい】