「ねえ、先生」
「どうしたの?タクヤくん?」
「人間って死んだらホントに千の風になるの?」
「例の大ヒットした歌ではそうなるわよ。」
「あれだけ売れたら、風になるというより、金になるね」
「…。」
「あとさ、そんだけ稼いだ人のお墓の前じゃ多分泣かないよ。
莫大な遺産が転がり込んでくるから、むしろ笑っちゃう」
「先生複雑な気分だわ。」
「あっ、話はそれちゃったけど、僕はホントに人間は風になれると思うんだ」
「へえ、どうしてそう思うの?」
「死体はバクテリアに分解されて、最後は二酸化炭素と水になるからね。
だったら、間違いなく風になれると思うんだ」
「先生、またまた複雑な気分なんだけど。」